筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ-映画編-

同名の、野球&映画ブログから、映画だけ独立させてみました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

責任と覚悟と誇り 三夜連続ドラマ「ブラックボード」

戦中戦後、1980年代、現在、とそれぞれ違った社会問題を抱えた三時代の、教師達の戦い
脚本:井上由美子 出演:櫻井翔、佐藤浩市、松下奈緒



時代と戦った教師たち。

その副題の通り、
一夜目は戦争によってひっくり返った価値観と。
二夜目は校内暴力に訴えるしか自己主張できない生徒と。
三夜目は学力格差とモンスターペアレンツ。
その壮絶な戦い。

時代の切り取り方、問題の取り上げ方、そしてドラマとしての見せ方。
見事だった。

脚本を見て納得。
井上由美子さん。
この方は、職業ものを扱ったらビカイチだと思う。
新聞記者、監察医、弁護士に医者。
どれも本当に面白かったし大好きなドラマだった。
(さてどれが何のドラマでしょう?)


第一夜は、戦争で立派に死ぬことが日本男児であると教えた教師が、
戦後になって、それがあまりにも大きな過ちだったと知って苦しみつつ、
それでも教師としての責任を全うしようと決意する。

価値観の逆転で戸惑った人が多かったことは、
戦争を背景にした数あるドラマや書物からわかることだし、
想像にも難くない。

でも、間違いを教えておきながら、
真逆をまた教えなければならなかった教師については、
初めて見たし、盲点だった。
先生がころっと変わった……描かれ方としてはそういうプライドのない先生しか記憶がない。

でも、普通の神経の人間だったら平気なわけはない。
辛いと思う。
自分の言葉が多くの教え子に不幸な影響を与えたんだから。
もちろん、先生がそう信じていたからこそで、
だから自分自身が立ち直るのも大変だった。

そしてこの先生は、その重い責任を、
職を続けることで果たそうとしたのだ。
切なくて強烈に胸にきた。

これを櫻井翔くんというのはどうかと心配だったのだけど、
戦時中の、背筋の伸びた、居住まい正しい男性がよく似合っていてよかったな。
個人的には、安藤サクラさんの小姑ぶりが悲しいひねくれ方だな、
と目をひいて、次も見たい女優さんとなった。


第二夜は、校内暴力を排除しようとする学校の中で、
ただ一人その子の暴力の「原因」に迫った教師。

数ある教師もののドラマでもよく取り上げていた問題だけど、
例えば「金八先生」などは苦手だったので、
教師ものではない「積木くずし」を思い出して観てた。

ああ、この佐藤浩市さんが、ピッタリハマってたなぁ。
戦争孤児だったからこそ、知り得た寂しさや孤独感。
そして、強さ、教師という仕事への誇り。

こういう人こそ先生が天職だと思うのに、
辞めるしかないっていうのは、教育界にとっても社会にとっても、
ひいては日本の将来にとって大損失だよな。。。

志田未来ちゃんが、途中まで気づかなかったくらいな化けっぷりで、
さすがな実力を見せてくれ、面白かった。


第三夜は、家庭環境のせいで学力が小学生並の生徒に寄り添おうとした教師。

あんな風に学力不足になってしまう子がいるというのは、胸が痛む話だ。
そういう子を助けることこそ教師としての本分なはずと思うし、
それをした教師が逮捕される状況へ陥るなんて、
現代はやはりどこか歯車が狂ってる。。。

悪平等だったりモンスターペアレンツだったり自由のはき違えだったり、
現代にそびえる壁は、元々少なくなってきているだろう「あるべき教師」を
更に激減させている気がする。
空恐ろしい。
これからどうなっていくのか。
たぶん少数派になってしまっている、
この三つの話に出てきたような真に立派な先生が頑張るしかないのかな。
その方々が、去らなければならない状況に追い込まれないよう願うばかり。

で、この第三話は、神木隆之介くんの存在感、透明感なしでは成り立たなかったでしょう。
最後に間違いだらけのスペルで黒板に夢を書き付けるところ、……泣けた。


決して短くはなかった三話、
ゆっくりちょっとずつ観ようと思ってたのに、一気観。

昔、「デモシカ教師」なんて言葉があった。
教師に「デモ」なるか、教師に「シカ」なれない、と、
他の職業より下に見た言い方だ。

でも、このドラマを観たらわかる。
教師ってそんなに甘いもんじゃない。
多くの子供に影響を与える、という責任と、
時に暴力にも立ち向かう覚悟と、
真剣に子供の将来を考えて、それこそが自分の夢だと言い切れる誇り。
それらがないとできない、大変な職業なんだと。

だからこそ得られる、やり甲斐。

お給料以上の仕事はしない、なんてスタンスではとても勤まらないし、
ましてややり甲斐などとは程遠いだろうということが突き付けられた気がする。

細かい点はつっこみもあろうが、
伝わってくるものは半端じゃなかった。
圧倒的な力を持つ、良質な、見応えあるドラマだったと思う。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://baseballdrama.blog18.fc2.com/tb.php/154-366f46a8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。